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サービスの利用者を増やしネットワークのコストを下げるとして、サービスの質や、深夜などの利用時間に応じ、また一部広告を取り入れるなどして多様な料金設定をすることが望ましい、としている。

NTTは、1996年春、高速データ通信サービスを通常の通信料金の数分の1の安さで提供するOCN(Open Computer Network)サービスを発表した。これはインターネット接続サービスを低料金で提供するもので、NTTはプロバイダーも兼ねる。利用料は専用線では、128kbpsが月額3万7,000円、1.5Mbpsが35万円、6Mbpsが98万円、ダイアルアップ接続が15時間まで2,300円などとなっている。

NTT以外の通信事業各社でも、それぞれサービスの質と料金の差別化で本格的にマルチメディアサービス参入の準備をすすめている。日本テレコムは「NTTよりも安い」ことを特徴にODNサービスを開始する。日本高速通信は「NTT並みの料金だが高品質」を特徴とする「シリウス」サービスを、第二電電も「PHSとつないで全国どこからでも近距離料金で移動体データ伝送ができる」ことを特徴とする「MALサービス」を開始する予定である。地域系NCCも、各社連携して全国高速デジタル伝送サービスを提供する。既存の長距離系NCCより低料金の専用サービスを目指す。

96年中にはNTTの分割が決定され、海外市場では各国の通信事業者が覇を競いつつあるという環境にあって、日本の通信事業者は一層進む規制緩和の中で、サービスの独自性を如何に創造していくかに事業の将来がかかっている。そのため内外事業者と合従連衡し、地域や長距離という従来の枠を越えたサービスを行う動きが始まっている。

KDDは国内に自社網の光ファイバー敷設を始め、足周りにCATV回線を利用した格安国際電話を計画している。外国人が多く住む東京都区のケーブルテレビ局と国際通信の実験を行う。また、海外へのインターネット基幹網をもつため、CATV各社に対しプロバイダー事業を展開する。最終的には全国のCATV網を相互接統し、国内のインターネット網としていく構想である。

日本テレコムは複線化による信頼性の向上とネットワークの大容量化を目的として、1999年を目処に全国に光ファイバーの環状網を敷設する。JRの幹線に沿って敷設してきた光ファイバーの支線同士をつないで環状網とする。投資額は1,000億円で新しく構築する部分は最大120Gbpsの容量を有する。日本テレコムもCATV事

 

 

 

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